DWの5000シリーズと言えば現在のフットペダルの大定番、その人気はもはや不動のものです。
1980年に、世界で初めてチェーン&スプロケットドライブ機構を搭載した5000CXがデビューし、高い評価を受け続けると、その5000CXをベースにどんどん改良が加えられ、偏心カムの“アクセレレーター”やボールベアリングヒンジとアンダープレートを搭載した、“DELTA”シリーズが生まれました。
惜しくも廃盤となってしまいましたが、このペダルは、その初代DELTAの仕様を復活させた日本限定モデルとして、当店でもイチオシのモデルでした。
今でこそ、ツインペダルもアンダープレート付きペダルも珍しい存在ではありませんが、もとを辿っていくと実はDWに行き着くんですよ。
すごいですよね。
DELTAシリーズも、現行モデルは4代目のDELTA4となりますが、DELTA2以降はパワー志向の時代の流れもあり、フットボードを少し幅広くしたダブルチェーン仕様になります。
この初代モデルのみ、それ以前のDWペダルと同じくスリムなフットボードとシングルチェーンというシンプルな作りです。
ダブルチェーンとシングルチェーンの大きな違いは、アクションの初動のフィーリングやスピード感にあります。
どちらが良いかというのは、やはりドラマーの好みや音楽スタイル、セッティングで異なるため一概には言えませんが、DW5000AHは、元来シングルチェーンが主流のDWが爆発的に広まるきっかけを作ったといっても過言ではない非常に完成されたアクションが魅力です。
“ACCELERATORアクセレレーター”カムは、スプロケットの回転軸を中心からずらして設定してある、いわゆる偏心カムです。
この初期設定位置の違いだけで、真円カムのTURBOよりも、ヒットポイントが極わずかに手前側に移動するので、アタックまでのスピードが増したような、まさにアクセルを踏み込んだような印象を受けるのが特徴です。
遠心力がシャープに感じられるので、ウッドビーターなど重めのビーターとも相性がよく、ベルトドライブ式のようなダイナミクスに忠実な操作感を得やすいのも特徴です。
踏み込みの軽さ、ビーターが打面をヒットするまでのスピード感、踏み込んだパワーが素直に伝わるナチュラルなメカニズム、フットボードの戻りのスムーズさは、それこそ、最上位機種である9000にはない、DW5000のシンプルな素晴らしさです。
長々と熱弁になってしまいましたが、とにかくイチオシ!!